例年より寒くなって

冬になると寒いなぁと思った。雪が馬鹿みたいに降って、皆がそれを見て喜ぶ。 冬になると寒いなぁと言った。皆がユニクロで買ったダウンジャケットを羽織り、雪を積み重ね遊んでいる。 冬になると寒いなぁと書いた。その手紙を送る宛が...Read more

活き作られり

赤い赤い空の真下ら、笑ってる子ども達の笑顔を値踏みするように眺める保護者達は焚き火を囲み、あの日の事件の新聞を燃やしている。子ども達はケセラセラと笑う。パチパチと焚き火が舞い上がり、赤い赤い空の真下ら、子ども達は世界の終...Read more

ひとりごと

部屋にひとりでいると、ついひとりごとを言ってしまうのです。テレビに流れるバラエティー番組の電波を、両耳で受信し、空虚に発信してしまいます。毎晩、わたしはひとりごとを言ってしまうのです。猫が、にゃあと鳴くように、わたしにと...Read more

バクのような身分で

お布団をかけまして、深い夜を数えていると、猿がウキー!ウキー!と言いながら腐ったミカンを投げつけてくる まくらがビシャビシャになって、柑橘系の匂いに満たされて、猿がウキーウキーと言うもんだから、まるで僕は動物園に飼われる...Read more

3日目の冬

太陽が変な顔しながら女の子股の間から見え隠れしてて、なんかとってもアーティスティックな光景だった。 僕はすぐさま漫☆画太郎先生を呼んで、この光景を絵にしてもらうことにした。 漫☆画太郎先生は描きながら「芸術が爆発した瞬間...Read more

映写機という人

暗やみはぼくを抱かない 街灯がぼんやり光ってて、ねじ曲がった影はひとの形をしてなかった さみしい風がひとりで吹いて、くだらない夜だけがぼくを迎えいれてくれた 蜘蛛の巣のかかった古いドアを開けると、シルクハットをかぶった僕...Read more

もしもし

壊れた受話器を持ってモシモシモシモシと言い続けるモシモシ虫が、渋谷とか歩いてると沢山いる。 ひとりぼっちが怖いからモシモシ虫は空想の友達とモシモシして繋がろうとしてるんだと思う。 僕はモシモシ虫が大嫌いだ。 金髪のルーズ...Read more

ハローニート

コンビニにで買った温もりに溢れるくだらないおにぎりに、マックで買った安っぽい笑顔を振りかけて食べる。 サラリーマンが電車の中でひしめき合って、僕を責め立てる。 車内での飲食はお控えください。 見つめ合うサラリーマンと僕。...Read more

朝日が昇るまでの時間を数えながら、今日も深夜だけを過ごす。 明日の夕やみに怯えてる癖にニヒルに笑う僕は、なんだか阿呆らしくて、だらしなく歪んだ口元のファスナーを、ゆっくりと閉じた。 周りの人たちは僕を僕として接してくれる...Read more

過去のことをまだ言ってんのかお前は

クローゼットの中に押し込んだお前の沈黙にディストーションかけて、mp3ファイルにしてプレイヤーに詰め込む。 あの日のことを忘れないように。僕は僕のフィルターを通してお前を許そう。優しさは不確かで不器用にも、ささくれのよう...Read more

躊躇い

雨が降りだす頃は、気分をどんよりと湿気で纏う。 濡れた裾や靴は重くて、一歩一歩が現実として形を成す。 ノイズのような雨の音が聞こえる。怖くないはずがなかった。 足を踏み出す。その先になにがあるのだろうか。 緑の広がる夢の...Read more

死にたいと思いました

ぼくの部屋にある丸い箱の中身は、黒く濁った重い空間が広がってるだけ。 その中を手探りでさ迷う小人たち。その一人にはぼくもいた。友だちもいる。恋人もいる。家族だって先生だって、みんないる。 こんにちは、と言う。こんにちは。...Read more

俺は大人になれない

横たわってる命の映像。俺は笑いながらチャンネルを回す。ステレオタイプの頭ん中。無慈悲だろうか。無慈悲だろうよ。 ありふれた悲しみだから、足り得ないから、当事者はあなただけ。 上手に関係しましょう。境界線を引きましょう。大...Read more

通過駅

井戸の底に、猫の水死体。腐乱してく僕の頭の中。そんな情景が流れていく。死にたがりは昨日の僕で、明日などには置いてきぼり。陽気な音楽に身を落とす午後。動かす体は、どこか息苦しい。蜘蛛の糸に絡まって、救いはなく。籠の中での空...Read more

ぽしゃん

冴えざる椅子が心なく揺れる情景を、両の目に焼き付けるだけで、私の心は底に落ちていく。 息つく暇は形を崩すほどあるのに、安息は呼吸をする間を与えない。四角い窓が愛だという人の濁った目は、それさえも焼き付けることなく、ぶれ続...Read more