可哀想と言った君の表情は、投げやりでどこも見ていなかった。みんな死んじゃえばいいと嗤った君の表情に、僕は言葉を選ぶことを迫られた。
やけに冷たい夜風が窓の隙間から暴力的に押し寄せ、君はぎゅっと布団を握る。馬鹿みたいと吐き捨て、意味や価値を必死にかき集めた言葉は綻んでいたような気がして、居たたまれない気持ちのまま、時間だけがのそりのそりと地を這っていた。

コンビニで買った裏側のない優しさが、だんだんと冷えていく。テレビの嘘くさい喧騒が、部屋の空気をどんよりと重いものへと変えていった。
背骨が軋み、ポキッと音がして這いつくばった僕の影は、君の後ろ髪を掴もうと手を伸ばしたが、届くことなく空虚を撫でる。
移ろっていくもの。
など。

絶対的 な距離を孕んだま ま

僕は瘡蓋を引っ掻き、じんわりと滲んでいく血に視線を落としながら、思案するような難しい表情を作ってはみたが、それが意味を為すことは無かった。
電球色に包まれた柔らかな優しさが、二人の影に確かさを与える。
暖色の部屋。
君はゆっくりと 丁寧に目蓋をおろす。
その表情だけが、安息に見えた。

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