ひしゃげた友達

子供のころ、友達の雨野っていうやつが前転をしながら「俺はだんご虫になりたかったんだ」と寂しそうに呟いたことがあった。
僕はその時、凄くやるせない気持ちになって、何も言えずに帰った。

最近それを思い出して、やるせない気持ちも同時に思い出した。
だから今日、公園にいって、日陰にいただんご虫をひたすらにつついた。

つつくと丸くなって、戻ったらまたつつく。
つつくと丸くなって、戻ったらまたつつく。
つつくと丸くなって、戻ったらまたつつく。

その姿に僕は雨野を見た。
寂しそうな顔をした雨野の「だんご虫になりたかった」って言葉が何度も頭の中で反復した。

このだんご虫は、
雨野なのかもしれない。

僕は「久しぶり」と出来る限りの笑顔で言い、お気に入りのスニーカーでゆっくりと雨野を踏み潰した。

帰り道は酷い雨だったよ。
雨の青だけが、この街を、埋め尽くしてるみたいに。

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