散歩しようと町内を前転でよだれを垂らしながら一周していると、虫たちの声が聞こえた。
蟻が「踏まないでよー」と言った。ぼくが体を持ち上げると、蟻は「さんきゅー」と言って角砂糖をどこかに運んでいった。

羽音が耳元に近づき目をやると、蜂がそこにいてぼくの腕をブスッと刺した。つい痛っ!って声に出すと蜂は申し訳なさそうに「ひっ!すいません!敵と間違えました!!」と言って一目散に飛んでいく。蜂はただビビッているだけで、まさか蜂も人間が蜂をビビッてるなんて思わないんだろうね。

ぼくは刺された腕をさすりながら、さらに前転で進んだ。すると蛾がヒラヒラと飛んでいて、ぼくが「こんにちは」と言うと蛾は「やぁ、人間。」と言った。
蛾は「そういえば人間はこんな話を知ってるかい?」と言い、ヒラヒラと舞ってみせる。
ぼくは「どんな話ですか?」と聞くと「もうすぐ君たち人間は戦争を始めるのさ」と蛾は気軽に言い、蛾はヒラヒラとどこかへ飛んでいく。

えっ、戦争…?
「ちょっと待って蛾さん!戦争ってどういうこと!?」
だが、蛾はもういなかった。

戦争が起きるのか?また人がたくさん死ぬのか?どうして蛾はそんなことを知ってるんだ?
ぼくの頭はクエスチョンマークでいっぱい。

そんな考えごとをしながらさらに前転で進んで行くと、うさぎ公園に着いた。少し休憩しようと公園に入っていくと、中学生が輪になって何人かいた。
なにをしてるんどろうと覗きこむと、輪の真ん中には血まみれのホームレスがいた。

中学生たちはみんなニタニタ笑っている。蹴ったり殴ったり切ったり叩いたり抉ったり刺したりしている。そのたびにホームレスのじじいは苦しそうな声をあげて、息も絶え絶えだ。

ぼくは輪のほうへ前転で進んでいき、中学生の足へ目掛けタックルした。
中学生は「おっ」とか言ってびくともせずにこちらを見る。

そして丁寧に「大丈夫ですか?」とぼくに手を差し伸べた。

ぼくは「大丈夫じゃないです!なぜなら近日戦争が起こりますからね!戦争反対しましょうよしましょうよしましょうよしましょうよ戦争なんかやだやだ!!」と叫び手を払いのけた。

中学生たちは「はい?」と首を傾げた。
「で、では、僕達そろそろ帰ります」と中学生たちはゾロゾロと消えていく。

ぼくはホームレスのじじいに「大丈夫ですか?」と手を差し伸べる。ホームレスのじじいは「ありがとな、若いの」とぼくの手をとる。
じじいの手はヌメッとしていた。

「今からきっと、たくさん人が死ぬんだろうな。たぶん俺も。そして雨野青。お前も。」
ホームレスのじじいはそう言って、どこか遠い目をした。

ぼくもホームレスのじじいと同じところに視線をやると

どこからか蛾が飛んできて
ホームレスのじじいの前で地面に落ちていき、死んだ。

This article has 3 comments

  1. まーちゃん Reply

    大丈夫青ちゃんは死なないよ
    だってまーちゃんが守ry

  2. い子 Reply

    蛾とか蝶って鱗粉で危険予知できるらしいよ。
    鱗粉の微妙な振動で地面の揺れとかいろいろ予知できるんだって。

    嘘だけど。

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