へなちょこパンチ

君は渡邊にボコボコに殴られて泣くから、僕は便所で何度も自分を殴った。
君が傷だらけの日は僕も傷だらけで、それが僕の誇りだった。
その時はそれだけが全てで、それが君を分かつ唯一の方法だと思っていた。

だけど君は僕を殴りつけキモいと突き放す。なんでなんだろう。
痛みを知っているのは僕だけなんだよ。
君の太ももの痣をナメてあげられるのは僕だけなんだよ。絶対。

一緒に星の数を数えようよ。
明日は絶対流れ星が見える。そしたら給食に君の大好きな揚げパンが出ることを祈ろうよ。
だけど君は僕を右ストレートをぶちかまし突き放す。あっそ。
もう知らねぇよ。勝手に死ね。
明日の給食が変わるわけねぇだろ月毎に決まってんだよ馬鹿。

その日から僕はトイレは糞尿を垂れ流す以外に使わなくなったし、君がボコボコに殴られてても知らん顔してケツをかじる。
君を見ると吐き気がしたし殴られる理由もよくわかるようになった。
僕は誰に殴られてもたいして痛いと思えなくなったし、むしろ学校に来る意味がわからなくなったよ。

それほど痛かった。
君の右ストレートは。


<当時の原文>
君の為に 君に為に
傷付いてきたこの命―…
だけどもう…君にとって僕はもう…

今日は僕が”特別”じゃなくなった日…
君に想われないなら死んでしまおう
ここから飛んでしまえば天国さ
さぁ行こう…君がいない世界へ

僕はもう 僕はもう
身体がなくなり浮いている
君がいない世界で…僕は笑ってますか?

今日は僕が”僕”じゃなくなった日…
君がいないなら僕が僕じゃなくなる
もう僕なんていらないさ
そうやって創った新しい僕

あの日泣いた記憶も楽しかったあの日も、もう一人の僕がかき消してくれた…

僕はもう”誰か”のために傷付ついたりしません。
僕はもう”僕”ではありません。
あの日住み着いた”新しい僕”は悪魔でした。
僕はもう”感情”なんてありません。
よこたわる”君”は真っ赤に染まって……

僕はもう…

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