六畳間のアイドル

夜な夜な隣の部屋から死にたくない死にたくないという声が聞こえる。
毎晩毎晩なにをそんなに死に直面してるんだろうと不思議な気持ちではあったが、そんなことより俺は今すぐ死にたい。
毎晩生きたがってる隣の住人には悪いが俺は完全に死にたい。マジで。本当に。

お前らが毎日毎日人生を楽しんでいる間、俺は生きたくないというヴァイブスを燃やしているんだ。
お前らが毎日毎日なにがそんなに面白いんだってくらい笑ってる間、俺は生きたくないというヴァイブスを燃やしているんだ。
お前らが毎日毎日飽きもせずに1日三食食べてる間、俺は生きたくないというヴァイブスを燃やしているんだ。

毎日毎日狂ったように「誰か俺を殺してぇええぇえぇえぎゃああああ死にたいぞ!!!!!今地球上でいちばん死にたい!!!!!!!!11」と掲示板に書きこんでいる。
だが死ねるわけもなく六畳間で変わりもない人生を消費しているよ。完全に狂ってる。

そんなちちんぷいぷいな俺が生きたくないというヴァイブスを燃やしながらテレビを見ていると、素晴らしい知らせが届いた。
無料安楽死キャンペーンをACがやっているのだ!死ねる!これですっきり死ねる!やったぁあぁ!
俺は包丁を持ち出し隣の部屋に突入し、隣の住人に「ACのCM見ましたか!?」と俺の喜びを伝えようとしたが、そこには宮崎あおいがいて「死にたくない死にたくない死にたくない」と変わらずに呟き続けていた。

俺は「ごめんねごめんねー!」と栃木訛りで叫び、包丁で頸動脈を切り裂き死んだ。
宮崎あおいが笑った気がした。


<当時の原文>
誰かが死にたくないと呟いた。
俺は生きたくないと呟いた。

お前等にとって『死』は絶望
俺にとって『生』は絶望

お前等は夢とか愛とか望んでた。
俺はただ『死』を望んでた。

誰か俺を殺してくれよ。
そんな願いも届かぬまま
真っ白なベットの上で
ただ天井を眺めてた…。

貴女が俺の前に現れて。
「死なないで」と呟いた。

貴女にとって『俺』は愛
俺にとって『貴方』は生きる意味

貴女は俺の愛を望んだ。
俺は貴方のための『生』を望んだ。

生きたいと願ったのが遅すぎて…

誰か俺を救ってくれよ。
そんな願いも届かぬまま
真っ赤なベットの上で
ただ貴女を眺めてた。

貴女の涙に
真っ赤な 花束を…

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