43℃

浴槽の中で蛇口から垂れる水滴の音を数えていると、視界を覆う蒸気の向こう側から、肌色の宇宙人が私に話しかける。 「指先がふやけてきたよ」宇宙人は赤子を扱うかのように、丁寧で、やさしく、私に話しかける。朧気な肌色の向こう側か...Read more

こんなブログあったね

懐かしいなー こんなブログやってたわ(笑) うんこブログってなんだよ(笑)ダサすぎ(笑) 雨野青?なんだそれ(笑) そんな変な苗字あるわけないだろ(笑) 青って(笑)DQNネームかよ(笑) 詩(笑)根暗かよ(笑) (笑)...Read more

透らずとも果敢なく

街路樹の下で猫が静かにくたばった。その横でCHANELの5番の香りを漂わせる眩しい女が、世界の終わりを見つけたかのように艶めかしく笑う。日陰の中でもぞもぞと這い蹲る罪悪感は、女の足元から首筋へと伸びていき、染みになって女...Read more

冷めたスープ

冷めたスープを口に入れる。喉の奥に当たった所で不味いことが分かった。もう二度と食べないと思った。 冷めたスープを口に当てる。不味いことが分かった。もう二度と食べないと決めた。 冷めたスープが私の前に置かれた。不味いことを...Read more

5021g

観客の居ない音楽会で、管楽器の音の波間に死体を埋めた。演奏中に指揮者の目を盗んで行った矮小な葬式では、CLASSICに或れない誰かの孤独が燃やされる。真っ青な光を灯して、散り散りに灰に変わって往く森羅万象が、其の熱量はも...Read more

e.g.

本質的に俺は孤独だ、と彼は言った。その言葉が癪に障った私は「あっそ。」と興味の無いふりをして、携帯を開いた。今思えば大人気ない対応をしてしまったと思うけど、正直そんなカッコつけた彼の態度には付き合い切れなかった。私はTw...Read more

ネット詩人

私が小学五年生のころ、Windows98のメモ帳に書いた小説もどきを紛失してしまった事が、今になって悔やまれる。誰にも見せることがなかった処女作。やっと年齢が二桁になったばかりの、その拙い文章に私の初期衝動が詰められてい...Read more

やくそく

山積みの書類を掻き分けて、埋もれてた婚姻届に手を伸ばす。にんまりと笑う彼女の顔を思い浮かべると、自然と笑みがこぼれる。半分だけ記入されているその紙切れを眺めて、いまいち現実味のない未来に思い馳せて浮かれていた。あとは、僕...Read more