5021g

観客の居ない音楽会で、管楽器の音の波間に死体を埋めた。演奏中に指揮者の目を盗んで行った矮小な葬式では、CLAS…

e.g.

本質的に俺は孤独だ、と彼は言った。その言葉が癪に障った私は「あっそ。」と興味の無いふりをして、携帯を開いた。今…

ネット詩人

私が小学五年生のころ、Windows98のメモ帳に書いた小説もどきを紛失してしまった事が、今になって悔やまれる…

やくそく

山積みの書類を掻き分けて、埋もれてた婚姻届に手を伸ばす。にんまりと笑う彼女の顔を思い浮かべると、自然と笑みがこ…

ラン・ラン・ラン

ぐにょーん、ぐにょーん、とへんな足音で歩く可愛い女の子は「えいっ」と思いのほかふつうの掛け声で、河川敷を駆け出…

時間の

街灯が燃え尽きそうに、チカチカと不規則な点滅を繰り返していた。虫たちは居場所を探し求め煩い羽音を響かせる。 終…

やさしさ倶楽部の後編

少しだけ僕に埃が積み重なって、息が生き返った頃、僕はゆっくりと目蓋を開き、耳を塞いでいた手を外した。 窓の外は…

やさしさ倶楽部の中編

家に着くと、カップラーメンの腐臭が僕をやさしく迎え入れてくれた。閑散とした六畳間。窓が開けっ放しになっていたか…

やさしさ倶楽部の前編

僕は定位置に座り、ウサギの置き物をブラブラと揺らしながら、手足のない子どもたちが無邪気に砂場で遊んでいるのをボ…

ポリカラス

毎晩夢の中ではぼくはマジでロマンチスで、3つの言葉でラブソングを歌っている チューニングの狂ったギターの情けな…

ごっこ遊び

可哀想と言った君の表情は、投げやりでどこも見ていなかった。みんな死んじゃえばいいと嗤った君の表情に、僕は言葉を…

パイプ椅子を投げつけて

ニコニコ動画に毎週決まった時間に雨野青が無音の中で踊っている動画をアップロードし続けている間にも、むかし一緒に…

例年より寒くなって

冬になると寒いなぁと思った。雪が馬鹿みたいに降って、皆がそれを見て喜ぶ。 冬になると寒いなぁと言った。皆がユニ…

ぼく以外ぜんぶ愛

冬の暴力的な寒さを余所に暖房でぬくぬくと過ごし、ひとり部屋の片隅でコーラの中にメントスを落としてニヤニヤしてる…